

論文は専門的な研究者が読むもの。
そんな常識はもう過去のもの
現在では、情報過多の時代です。その情報も玉石混交で、何がいいのか、何が悪いのか、分からないことも多いです。
そもそも、情報の発信者によって、言っていることが違います。

この食品には健康効果があるという論文があるよ

ちょっと待ってください、その食品には健康効果がないどころか、
害悪になる可能

で、結局どうすればいいの?
エビデンスもいい加減だよね
それはなぜか、、、
情報がニ次情報だからです。
二次情報とは、「また聞き」、「伝聞」のことです。伝聞は情報発信者の解釈が加わります。なので、正しい情報ではないことが多くなります。より正確な情報を得るためには、一次情報を得なければなりません。
では、一次情報とは何か、、、
それは、研究論文です
エビデンス、根拠の最高峰は、やはり研究論文です。
つまり、研究論文を読むことができれは、より正確な情報を得ることができます。
- ワクチンの効果はどうなのか?
- それを踏まえて、自分がする価値があるのか?
- その食品は健康にいいのか?
- 自分に合った健康的な食生活とは何か?
などの疑問を、より正確な情報から判断できるようになります。周りのいい加減な情報に左右されないようになります。
しかし、ここで障害となるのは、論文の読み方が分からないといったことですね。
そこで、論文を効率的に読むための方法を解説していきます。
論文の構成
論文は形が決まっています。まずは、その形、つまり論文の構成を知ることが大切です。
ほとんどの学術論文が以下のような構成で書かれているため、これが分かれば、論文の全体像が分かると思います。
題名:Title
そのままですね。なんの研究を行なったのかを最も端的に表しています。一番目につくため、ここで興味のある論文を探すことになります。
要旨:Abstract
研究の概要が簡単に書いてあります。
ここだけ読んで、論文を読んだ、とする人もいますが、さすがに無理があります。最低限とはいえもう少しちゃんと読むようにしましょう。
はじめに:Introduction
なぜ、この研究を行おうを思ったのか、といった研究の背景や、研究も目的が書いてあります。
研究の分野が初めてであれば、この「はじめに」を読むことで、どこまで研究が進んでいるのか、何がわかって、何がわかっていないのかを知ることができます。
方法:Method
研究の方法です。
どうやって研究を行なったのか、どうやってデータを分析したのかが書いてあります。
データ分析は、データサイエンティストにとっては最も興味のあるところかもしれません。
この方法が研究論文にとって、最も大切です。
それは、
- 目的を達成できる方法なのか?
- 妥当の方法なのか?(方法が妥当でないと、その後の結果や考察は意味がなくなってします)
- 再現することが可能なのか?(研究では再現性が重要です。今回の研究だけ、たまたまなのかもしれませんからね)
などを検証できるように、詳細な方法の記載が求められます。
結果:Result
ここで、研究結果が書かれています。
ワクワクしますね。妥当な方法で行われた研究の結果が分かるわけですからね。
著者が示したい結果は、必ずといっていいほど、表やグラフになっています。つまり、表やグラフを中心に確認していくことで、効率的に論文が読めるようになります。
考察:Discussion
結果から分かることを著者が考察します。Discussionなので、そのまま「議論」と訳したりもします。
つまり、今回の結果が自分の主張をどこまで支持できるのかを検討します。研究結果はどの程度意味のあるものかのか、研究目的は達成されたのか、などを考察しています。
この考察の最後の方で、限界:Limmitationというものがあります。私はこの限界は、見落としがちだが、非常に大切な部分だと思っています。
この結果がどの程度一般化できるのか、どの程度再現性があり、誰にでも当てはまることなのかの検討がされます。
結論:Conclusion
今までの内容を踏まえて、まとめた内容になっています。ここでの内容は、著者の解釈が入っているので、「著者はそう解釈したんだね」といった程度でいいと思います。
参考文献:Reference
研究で参考や引用した論文が書かれています。論文では、今のところ分かっていることを過去の論文を証拠とします。その過去の論文をまてめています。なので、引用している内容が分からなければ、この参考文献で、引用元の論文を探して、読むことができます。
まとめ
論文の構成を紹介しました。
まずは、この構成を頭に入れて、読み進めると、分かりやすくなります。
また、論文を読んだ後は、論文をまとめましょう。論文を読むことはインプットです。インプットだけでは情報が整理できないので、論文をまとめて、アウトプットしましょう。
アウトプットは、ワードやパワポ、PDF内ので手書きでもいいです。でも、情報を知らない相手に伝わるようにしましょう。

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