

社会人1年目は右も左も分からずに、エクセルの使い方も分からない。
社会人2年目は初めての資料作りで、エクセルでデフォルトのグラフで味気ないものに。
社会人3年目ともなると、後輩が見ている中で、ちょっといいとこを見せたい。資料作りにも力が入ります。グラフもデフォルトでは恰好がつきませんね。そこで、陥りがちなグラフを集めてみました。
中には、「こんなのあり得ないでしょ」というものもありますが、意外とCMや営業資料でも見かけることがあります。
- こんなグラフを作らないように
- こんな資料を見せられたら要注意
こう思って、一緒に確認していきましょう。
グラフ選択の間違い
ライバル会社との売上比較を行う場合に作成した資料
大きな間違いが2つあります。
- y軸の数値が0からでない
- 定時の比較では折れ線グラフは使わない
1.y軸の数値が0からでない
時と場合によりますが、y軸の数値は0からが基本となります。なぜか。
それは、グラフの比率が異なるからです。つまり、見た目と差が一致しないことになります。上のグラフでは、A社と当社の差は1ですが、見た目にも差があるように見えます。しかし、0からのグラフでは、ほとんど差がないように見えるでしょう。差を強調したいときに、y軸の基準を変えてしまいがちです。これは、びっくりグラフといって、よく使われる手法です。
2.定時の比較では折れ線グラフを使わない
基本的に折れ線グラフは、左から右へと流れがあるため、時間の経過を表すために使われます。これを時系列データといいます。
今回のグラフでは時間の流れとは関係なく、定時の情報なので、折れ線グラフを使いべきではないでしょう。

目立ち過ぎ
先ほどの折れ線グラフを棒グラフにしてみましょう。定時のデータは棒グラフとの相性がいいです。
このようなグラフは非常に多いのではないでしょうか?分かりやすいグラフ、伝わるグラフ、みたいな書籍やサイトでも見かけたことがあると思います。しかし、これはダメです。
y軸の数値が0からではない
これでは、実際の差より見た目の差が大きくなってしまいます。
グラフとは情報を分かりやすくするためのツールです。なので、その情報は正確でなければなりません。伝わるグラフでも、その情報が正確でなければ、意味がないどころか間違った判断をしてしまうことになります。
色
膨張色である赤は大きく見えてしまいます。強調したいのは分かりますが、色はいらない情報ですね。

いらない情報はいらない
次は、売り上げの推移を月毎で見てみましょう。これは、時間の流れがある時系列データなので、折れ線グラフにしましょう。
6月に急上昇していますね。でも、これって本当に正しい情報なのでしょうか?
色と矢印はいらない
これも強調し過ぎですね。色や矢印での「増加」は余計ですね。このようなものがあると、情報が引っ張られて、増加した気になってきます。もしくは、いらない情報なので、邪魔に思えてきます。
いらない情報はいらない
去年の6月は?
時系列のデータは最低2年分にしましょう。これは、月によって売上が影響する場合が多いためです。季節、年度初め、年度末など、月によって違いがあります。なので、去年のデータを合わせて表示し、比較しなければなりません。
取り扱い注意の3D円グラフ
次に、各社のシェア率をグラフにしてみようと思います。率なので、円グラフを使ってみたいと思います。
このような3D円グラフはCMや営業資料でよく見かけますね。データを扱う仕事をしている人でこのような3D円グラフがいいと思っている人はいません。一人もいません(調べていませんが…)
なぜか、比率が分からなくなるからです。
3Dにすると高さがあるため、前に位置する「当社」の面積が大きくなります。そして、後ろに位置する「A社」の面積が小さくなります。比率を表す円グラフで高さを出すのは、明らかな間違いです。
絶対ダメ

まとめ
今回は、情報を正確に伝えるためにやってはいけないグラフ作成について解説しました。
伝わる情報と正確な情報は違うため、どちらを使うかは、状況次第です。しかし、できるだけ正確な情報を使うようにしましょう。そうすることで、グラフに騙されることもなくなるでしょう。


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